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苦しみからの解放への軌跡、そして未来 4つのドキュメンタリー
第1回 もうがまんなんかしない! 杏子 第2回 はあとふるDiary −Heart full Life− 桜心愛 第3回 いばらのみち 小日向美樹
第4回 いつか「あの子」を抱く日まで ナオ 第5回 正しく生きた〜い ! ユミ
 
もうがまんなんかしない!〜私の魂を取り戻すために、私が選んだこと〜 杏子
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高校受験のとき、私は近所の公立高校を目指していた。その高校は小さいときから親に進められてきた高校でもある。
「近いし、公立だからお金もそんなにかからないし、ここに入ってくれるといいな」
小学生のときからよく言われていた。
その影響もあると思うけど、私もここに一番行きたかった。だから一生懸命勉強していた。その当時は私立高校と公立高校を受験して公立に受かったら公立に行き、公立に落ちたら私立に行くという感じだった。私が住んでいるところは田舎で私立に行くというのはお金もかかるし、頭が悪い子が行くところ、逆に公立は頭が良くて、お金がかからない親孝行な子供という感じだった。
うちにはお金がないし、高校に行くためにはがんばって公立にいかなくちゃと思っていた。そんな時、両親がものすごくケンカをしていた。
いつものケンカと様子が違う。私は聞いてはいけないような気がして、家が狭かったから台所の扉を閉めて隅のほうで小さくなっていた。その時突然父親が来て
「公立に受からなかったら高校には行かしてやれないから!!」 といったあと母親に向かって 「これでいいんだろう!!」 とはき捨てるようにいった。
また私は固まった。
(そんなこといわれなくたってわかってるよ!でもそんな言い方しなくたって・・・)
私のことでそんなにケンカしてたの? ショックだ・・・それにお母さんの背中がとても冷たかった。私はこんなに傷つけられたのに私を見ようとしない。きっとまた私を利用したんだ。
母親はよく 「もし杏子が私立に行くことになったら家にはそんなお金はない。高校も行かせてあげられないなんて杏子がかわいそうだ」 と言っていた。
(私がかわいそうじゃなくて、自分がかわいそうなんでしょ!そういえばいいじゃん!!私を犠牲にしてまで自分を守りたいの!)
それからすごく悩んだ。確実に入れる公立へ変更するか、それとも希望の高校目指してがんばるか。ただでさえ思春期で心は不安定、家庭も不安定、受験というプレッシャーで勉強しようと思っても集中なんか出来なかったけど、結局最初から希望していた高校を受験することにした。
合格発表の日、私の番号はあった。うれしいというより、とにかくホッとした。
両親は私が公立に受かったら何でも買ってくれると豪語していた。でも何でもじゃないことくらいはわかっていた。
私はがんばったし、何か一つくらいなら買ってくれるかなと少し期待していた。
でもやっぱりそれも嘘だった。
「合格したけど、何か買ってくれるの?」 と聞いてみた。
「そんなの買えるわけないでしょ!授業料とか制服代とかいろいろかかるんだから」

やっぱり。裏切られる心構えは出来ていた。だからもうそんなに傷つかない。

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